症例 突発性難聴のL美ちゃん(12歳)

来訪時の様子

L美ちゃんは中学受験を目前に控えた12月に突発性難聴になりました。

病院で検査を受けたところ「聴力に問題はない」と言われましたが、人の話が聞こえないといろいろ困るため、ホメオパシーのセッションに来ました。

聞き取り

1)中学受験に向けて、週五日間塾に通う他に3歳から始めたチアリーディングと英会話も続けている。

2)「忙しくしている自分が好き。忙しくしていないと、前に進まなくてはいけないのに進んでいない気がする」また、「時間を無駄にするのはイヤ。同じ時間の中で宿題だけでなく、宿題と友だちと遊ぶのと両方やりたい」。

3)勉強、チアリーディング、英会話のいずれにおいても常に目標を決めて、それを達成しようと頑張っている。

4)チアリーディングでは一番目立つ位置が好き。人前で話すことも好きで、うまくできたときは「自分が格好いいと思う」。

5)寒い時や雨・曇りの時に頭がズキズキと痛むことがある。頭を圧したり、温めたりするとよくなる。

6)寒がり。

7)好きな食べ物は肉類。まだ小学生だがコーヒーも好き。

聞き取り後、選んだレメディ ナクス・ボミカ [Nux-v]

ナクス・ボミカはポイズンナッツと呼ばれるマチン科植物の実から作られています。この実は昔から医療に使われることが多かったため、ハーネマンもプルービングを行いました。このレメディは現代という時代や「ストレスを抱える」現代人に適合しているため今ではもっとも使われることの多いレメディです。

ナクス・ボミカタイプの子どもたちは個性が強く、自分の欲しいものをよく知っていて、何としてでも手に入れようとします。お腹が空いたら、すぐに食べ物を欲しがり、おもちゃが欲しくなったら、即座に手に入れたがるという具合です。

とても野心的でどんな場合にも他人よりも自分の方がうまくできると思っています。

何においてもベストであろうと努力を惜しみません。

また自分のことは自分でしようとして、他人に依存することを好みません。日々のおきまりの仕事にはすぐ退屈し、何か挑戦できるもの、そのために戦えるもの、守らなくてはならないものをつねに探しています。他人の反論に耐えられず、いつも思い通りに物事を進めたがります。<中略>神経系統が非常に敏感です。多くのことを引き受けすぎたり、心配事や緊張感を処理できないと、重い病気になることがあります。とくに胃腸系に問題が生じやすくなります。

燻製された食物、脂肪の多いもの、苦いものが大好きです。大人になると緊張をほぞすためにアルコールやコーヒーを必要としますが、多飲するとアルコール依存症になったり、コーヒー中毒になることが多いので避けたほうがよいでしょう。

レメディ投与後の様子

L美ちゃんは耳の聞こえがよくなり、突発性難聴はなくなりました。志望校にも見事に合格し「中学校に入ったら。あれもこれもと欲張らずに本当に好きなことにじっくり取り組みたい」と話してくれたのが印象的でした。

これまでは気を留めたことがなかった道端の草花が最近はとても気になるそうです。「華道やフラワーアレンジメントなどこれまで自分がやるなんて考えたこともなかった。部活でやってみたい」と話してくれました。

難聴がなくなり、精神面でも成長が感じられたので、セッションは一回で終了しました。