来訪時の様子
お母さんと一緒に来訪しました。
ホメオパスの質問に対して自分から答えることはなく、ほとんどお母さんが答えていました。お母さんにずっと同席して欲しがりましたが、退席してもらった後は、ようやく自分から少しずつ質問に答えるようになりました。物静かな感じの男の子です。セッションの間ずっと足をぶらぶら動かしていたのが印象的でした。
聞き取り
1)生後二、三ヶ月の時に脂漏湿疹(しろうしっしん)になり、4歳ごろから鼻炎が始まった。
2)その後も毎夏、鼻炎と中耳炎にかかり、風邪をひくたびに鼻の状態はひどくなり、しまいにはつねに口を開いている状態になった。
3)寝ている時には無呼吸になる
4)冬の乾燥するときにはアトピーが出る。アトピーは最初、背中から始まり、かくと痒みは治まるが、だんだんと二の腕やももにまで広がっていった。赤ちゃんの時にステロイドを使用したことがある。このアトピーにもステロイドを使用している。
5)腎盂腎炎(じんうじんえん)の病歴。
6)斜視と色覚異常もある。
7)成長過程において話し始めは早かったが、滑舌が悪く、自分の名前がはっきり言えなかった。
その他約14項目の聞き取り…
・ふだんボーッとしたり考えごとをすることが多く、学校でも先生の質問に対してユニークな答えを言うことがある。
・お父さんとはあまり話をしない。絵画教室に通っていることに関して「お父さんにはわかってもらえないきがする」。
・怖いものは暗闇と幽霊。など
聞き取り後、選んだレメディ ジンカム [Zincum]
ジンカムは亜鉛からできたレメディです。
鼻や視覚に問題を持ちやすく、音や人の声に敏感で無口な傾向があります。足の落ち着きのなさも特徴のひとつです。痙攣(けいれん)や引きつりの症状が見られる場合もあります。父親が支配的なことも多くの症例で見られます。
ジンカムは、発疹が強く抑圧されると、神経系に影響を受けて興奮状態や落ち着きのない状態になることがあります。また、感情を抑えると夢遊病になったり、怒りを抑圧すると震えや脱力が生じることがあります。著書に続く…
レメディ投与後の様子
B君にはジンカムを三回摂ってもらったところ、症状が好転しました。
約一年後に再び症状が見られたので、今度は同じジンカムのより高いポテンシーを摂ってもらいました。その後、症状がなくなったのでセッションを終了しています。B君はもう病院に頻繁に通うことなはなく、薬を頻用することもありません。お母さんによると「以前はなんでも人に聞かないとできない、親に言われないとやらないタイプでしたが、セッションが終わる頃には、とりかかるのが遅くても着々とやれるようになりました」とのこと。
セッションを受けていた期間は、ちょうどB君が思春期に差しかかった頃で、著しい心身の成長が見られる時でした。こういうとき、適切なレメディは成長の後押しをしてくれます。