なぜアメリカで銃乱射事件が頻発するのか

アメリカ「地獄の夏」

この夏、アメリカで約100年ぶりの皆既日食がありました。

それと関係があるのかないのかわかりませんが、アメリカにとって大変な夏でしたね。

ハリケーンや洪水、あるいは記録的な森林火災などの自然災害だけでなく、北朝鮮問題、さらにはラスベガスの乱射事件が起こるなど、人によっては「地獄の夏」と表現する人さえいるようです。

 

今回のテキサス乱射事件

ラスベガス乱射、少なくとも59人死亡 527人負傷と警察

BBC 2017年10月3日

米ラスベガスのマンダレイ・ベイ・ホテル近くで現地時間 1日午後10時すぎ、乱射事件があった。ラスベガス警察によると、少なくとも59人が死亡。確認された負傷者は527人に増えた。被害者の多さで、近年の米国最悪の乱射事件となった。

警察によると、容疑者は近郊在住の白人男性で、警察の突入と同時に自殺。これまで警察との接触はほとんどなかったという。

ラスベガス警察によると、近郊在住の白人男性スティーブン・パドック容疑者(64)がマンダレイ・ベイ・ホテルの32階から、大通りラスベガス・ストリップで開かれていたカントリー音楽の音楽祭会場に向けて自動式の銃を乱射した。容疑者はホテルの部屋で自殺したという。

音楽祭の会場には約2万2000人が集まっていた。

警察はホテルの室内でライフル銃など少なくとも16丁の銃を発見した。

という被害状況ですが、アメリカの銃乱射事件は今に始まったことではありません。

古くは、1966年8月にテキサス大学でチャールズ・ホイットマンによる乱射事件がありました。

この事件により 10名が死亡、30名の負傷者が出ています。

このチャールズ・ホイットマンの事件はなんと「30年以上も記録の破られなかった、アメリカ乱射の最大死傷者を出した事件

だそうです。

この事件を上回る被害者が出たのは、2007年4月に起きた韓国籍のチョ・スンヒによる「バージニア工科大学銃乱射事件」でした。

この事件では33名の死亡者が出て、チャールズ・ホイットマン事件以上の惨事になりました。

アメリカ史上大きな銃乱射事件

上記以外にもアメリカでは大きな銃乱射事件が起こっています。

1998年5月

オレゴン州スプリングフィールドで、15歳のキップ・キンケルが、両親を殺害した後に自分の学校に行って銃を乱射し、2人を殺害して22人に傷を負わせた。

 

1999年4月

コロラド州コロンバイン高校で、18歳のエリック・ハリスと17歳のディラン・クリーボールドが銃を乱射し、12人の生徒と1人の教師を殺害し、23人に怪我を負わせ、その後自殺した。

 

2005年3月

ミネソタ州レッドレイク高校で、16歳のジェフ・ワイズが銃を乱射し、学生や教師、警備員を殺害した後、自殺した。祖父母を含めて合計9人を殺害した。

 

2007年12月

ネブラスカ州オマハの大型ショッピングモールで、19歳のロバート・ホーキンスが銃乱射し、8人を殺害した後自殺した。

 

2012年7月20日

オーロラ銃乱射事件は、アメリカ合衆国の西部・コロラド州の都市、オーロラにある映画館にて2012年7月20日に発生した。12人が死亡、負傷者は58人を数えた。死傷者70人は銃撃事件としてアメリカ史上最悪規模である。

容疑者としてジェームズ・イーガン・ホームズが逮捕されている。

 

銃乱射事件の裏にあるもの

これらの事件の犯人に共通しているものがあります。

それが何かわかりますか?

誰もが「向精神薬」を服用していたのです(チャールズ・ホイットマンに関しては未確認)。

オレゴン州のキップ・リンケルは抗うつ剤プロザック(SSRI)を服用していました。

コロンバイン高校のエリック・ハリスは抗うつ剤ルボックス(SSRI)を服用していて、体内からその成分が検出されました。(ディランの情報は公開されていません)

ミネソタ州のジェフ・ワイズは抗うつ剤プロザック(SSRI)を服用していました。

バージニア工科大学事件のチョ・スンヒは抗うつ剤を事件当日も服用していたそうです。

ネブラスカ州のロバート・ホーキンスは、ADHDとうつ病と診断され、抗うつ剤プロザック(SSRI)を服用していました。

向精神薬の投薬が増えてアメリカの銃の乱射事件が3倍になったという統計結果があります。

精神医学による人権侵害を調査・摘発し、 精神の分野を正常化するための団体「市民の人権擁護の会」のHPによると、

米国の検事総長のエリック・ホルダーは最近米国内での銃乱射事件の発生率が上昇していると発表しました。この情報はほとんどのアメリカ人にとって驚くことではないかもしれませんが、警察のトップがなぜこのような殺人暴力行動が増加しているかについて、何の手がかりも与えてくれない事は興味深い事です。

米国での年間の銃乱射事件は2009年の年間5件から15件になり3倍になりました。

無差別銃乱射事件の件数が増えていることは重要である一方、権力者はこのような暴力的な事件が増えているかについての質問に答えることを好ましく思っていません。質問されるべき最初のポイントは射手たちの共通する特徴があるかどうかについてです。

例えば、無差別銃乱射事件の件数が増加してきているのと同時に精神薬の処方が米国内で増加してきているなどという事です。もし公表されている1999年から2013年の銃乱射事件を考えるなら、これは明らかに、ほとんどの射手たちは軽微に変化を起こす向精神薬を摂取していた疑いが濃厚です。

このデータは精神薬と暴力が関係していることを証明する強力な証拠です。

米FDAのMedWatchシステムによると2004年から2012年にかけて、精神薬は副作用として14773件の暴力的な事例が起こったことを報告しています。そこには1531件の殺人未遂もしくは殺人、3287件の病的な熱狂、8219件の暴力が含まれています。FDAは少なくとも1%以上の重大な副次的な事件があったことを報告しています。

トーマス・J・モーアー、ジョセフ・グレンミュレン、カート・D・ファーベルグらの「FDAの薬物事件のデータ」PLOS One の研究によると、他人への暴力行為は、比較的少数の同系列の薬と関連性があるという事です。セロトニン作動性のあるバレニクリン(チャンティックス)や抗鬱剤はこうした事件と強い関連性があります。

判断機能の低下を特徴とする感情障害、敵意、攻撃性、暴力性、殺人衝動のような向精神薬の副作用に関する22の国際的な薬品規制・警告があります。

精神科医は来院した3分の1の子供たちに抗精神病薬を処方していますが、それは1990年代の3倍に達しており、2005年から2009年に処方されたほぼ90%がFDAにより承認を受けた薬です。抗精神病薬は正常な脳の機能を破壊するので化学的なロボトミーと言えます。

医学的な用途以外の中枢神経系刺激薬の使用で救急救命にくる18歳から34歳の人の数が2005年の5605人から、2011年には22949人に増加しました。その中枢神経系刺激薬にはADHDの薬も含まれています。

IMSヘルスによれば、2002年以来精神病薬を服用している米国人は22%増加しており、最近は7700万人、4人に1人の人が服用しています。

米国の18歳以下の子供たちの820万人が精神病薬を服用しています。

4000万人の米国人が抗うつ剤を服用していて、2002年以降15%上昇しましたが、そのうちの200万人が18歳以下の子供です。

2000年以降アメリカ人のADHD薬の服用は94%上昇し、現在1000万人の人が服用しています。

CDCによれば児童の11%がADHDと診断され、現在18歳以下の子供たちのうち470万人がADHDの薬を服用しています。

米国人の抗精神病薬の使用は2002年以降40%上昇しています。

FDAによって全ての抗うつ剤は小児や思春期の青年で自殺願望や自殺の危険性が増えるという、”ブラックボックス”警告がなされています。”ブラックボックス警告”はFDAでは処方薬に対する警告の中でもっとも重大なものです。

2012年にはついに米軍の自殺者の数が349人に増加しました。これは戦闘で亡くなる米国人の数をはるかに超えています。ミリタリータイムスによれば、6人に1人の軍人(17%)が現在抗精神病薬を服用しているという事です。

アメリカ国防兵站局によれば、2001年から2009年の間に抗精神病薬の使用は76%増加しています。同時に抗うつ剤の使用は40%増加しました。

もちろんこれらのデータは単なる公的に得られるものの一例ですが、法の執行や法律の制定者たちが利用し、何が原因で無差別乱射事件が増加してきているのか理解しようと努力するために使うことが出来ます。

これらの圧倒的なデータがあるにも関わらず、軽微な変化を起こす抗精神病薬が暴力的な行動につながる一般的な脅威であることが、法の制定者や法執行局により調査されたりすることはありませんでした。

これらの問題が提起されることがなければ無差別銃撃事件は増え続けるでしょう。権力者たちは無差別殺人の時に偽善的な同情とお悔やみを言う代わりに単にこれらの背景に疑問を投げかける勇気をもってほしいです。

(翻訳終了)

 

日本でも銃の乱射事件は起こっています。

たとえば、2007年5月、愛知県長久手町で、大林久人被告が家に立てこもって発砲し、警察官1人を殺害し、その他3人に怪我を負わせました。

彼は、犯行時に精神安定剤や睡眠導入剤を服用していました。

また、全日空機ハイジャック機長殺害事件のように、犯人の行動に抗うつ剤の影響があったことが裁判で認められるような事例も出てきています。

向精神薬や抗不安薬に限らず薬全般に言えることですが、自分に処方された薬の特徴特に副作用はよく知っておくべきではないでしょうか。

副作用のリスクも考慮した上で本当に摂った方がいいのかどうか判断すべきだと思います。

また、薬以外の治療法も知っておくと選択肢が広がります。

ホメオパシーやフラワーエッセンスは向精神薬のような副作用がないので、選択肢のひとつに加えて欲しいものです。ぜひご考慮ください。